×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

第11話「戦う事の意味」
 
 
構えた槍の穂先、そしてその先にいる二匹の大帝のペットを見据えるレッド。
鷹が羽ばたきを再開し、再び舞い上がるが、中空をよろよろと旋回する様は、傷の深さを隠せずにいる。
 
「なるほど、成長したものだ。仲間が命を賭けて送り込むだけのことはある。」
闇に響く大帝の声は、楽しげでもあり、満足気でもあった。
「・・・何が楽しい。お前の馬も鳥も、もう見切った。…次は無いぞ。」
未だ姿を見せない大帝に向かって、言葉を投げる。
闇の中に鋭い視線を向けるレッドに対し、大帝は大きく笑い声を上げた。
「はっはっは。楽しいものだろう、鍛えた力を揮って、相手を上回るのは。」
そして、一瞬空気が張り詰める。
「何、遠慮することは無い、動物は動物だ。止めを刺すが良い。言っただろう、遊んでやってくれ。」
悪寒が走るような冷たい大帝の声が戦闘の続行を促すと、よろめいていた鷹は再び動きに鋭さを取り戻し、レッド目掛けて光線を放った。
「俺も言ったはずだ!連続攻撃だろうと、もう効かない!」
先ほどの紙一重のタイミングで光線を避け、その直後から突撃して来ていた鷹の本体に向けて槍を薙ぎ払い、弾き飛ばす。
そこへ更に、軍馬が猛然と突進してくるが、
「三連続だろうと、関係無いっ!」
レッドは眼前の地面に槍を渾身の力で突き立てた。
突き立てられた槍を起点に、一円に広がる絶対零度の刃が馬の足を凍てつかせ、凍った床へと誘うように絡め取る。
脚を地面に取られながらも、速度に乗った勢いと、前へと向かう自重は止められず、軍馬はそのまま大きく転倒した。
脚に相当のダメージを負ったことは、間違い無いはずだ。
地に落ちた鷹と馬を一瞥するレッドの耳に、瞬間的に流れ込む、大帝の甘く誘うような声。
「・・・見事だよ。」
先程までの空間に響くような声とは違い、対面している相手から聞こえているような、生きた声色。
悪寒が背中全面を撫でるように走りぬけ、レッドは槍を握る手に意識せず過剰な力を込めた。
実際の大帝と相対するのはこれが初めてだ…。
 
一斉に、大広間に照明が灯る。
眼前には、青く輝く鎧に身を包み、たった今倒したはずの軍馬に跨る大帝。その頭上を優雅に旋回する鷹。
 
そして、
 
真上に掲げた、大帝の錫上に収束する、巨大な、白く輝く波動。
 
「…だが、さようならだ。」
 
大帝が錫上を振り下ろし、轟音と共に、その巨大な波動がレッドを貫いた。
 
自身の居城をも破壊しても支障無しとしているのか、大帝の攻撃はレッドを壁面へ叩きつけると共に、広間の壁を大きく突き崩した。
崩れ落ちた壁の下から、レッドがよろめきながら姿を現す。
淡く光っていた青い装甲は埃にまみれ、主に胸部装甲に深い傷跡を作っていたが、後わずかという所で貫通を免れていた。。
「ふむ、思ったより頑丈だな。」
馬上からその姿を見下ろす大帝の表情は、予想外の事に驚くというよりは、子供の成長ぶりを喜ぶ親のようだった。
「まぁ、せっかく私が出てきたのに、一撃で倒れてしまうのもつまらん。」
波動により圧迫され、さらに頭上へ落下した壁からの衝撃で打ちのめされたレッドは、頭も足もぐらぐらに揺れていた。
追撃に備えようとも、全身がふらついている状態で上手く力が入らない。
今攻撃されれば、致命的なダメージを受けるのは必然だ。
「まだ足元がふらついているだろう?」
レッドの様子をハッキリと言い当て、大帝は思案するように軽く目線を上向けると、上空を舞う鷹を自身の腕に呼び戻し、微かに微笑んだ。
「レッド、お前は何故戦う?」
鷹へ向けていた表情からは一点して、冷たい目線がレッドを貫く。
「な…に…?」
未だ頭のふらつきが回復しないでいるレッドは、深い思考ができず、大帝のセリフを上手く理解できないでいた。
否、理解できないというよりは、何故そのような事を問いかけられるのかが解らない。
「お前達が我々と戦っている理由を問うているのだ。」
ため息混じりに言うと、腕に止らせていた鷹を優しく撫でる。
が、レッドを射抜く視線は相変わらず冷たいままだった。
視線を真っ向から睨み返し、レッドは気力を振り絞って叫ぶ。
「貴様らが…世界を征服しようと企んでいるから、それを阻止するために戦っているんだ!」
レッドの言葉に、大帝は一瞬呆気にとられたような表情を浮かべた。
そして、高らかに上げた笑い声は、レッドを嘲笑しているのがありありと感じられた。
「レッドよ、何も解っておらぬな!力を持つ我々に、人間は何をした?何故排除されねばならぬ?ただ少し力があるというだけで、何故捉えられ、嬲られ、虐げられねばならぬ?…そして、同じ目に合わせてやろうと思えば、お前らが正義と称して我々を倒しに来たという寸法だ。」

最後には哀れみの篭った視線で、レッドを眺めていた…。

正義は勝つ、という言葉がある。
しかしそれは、勝利したものが正義であると言い換えれるものではないか。
この戦いの意味はいったい何なのか?
最終決戦のこの場になって、レッドには迷いが生じていた。
大帝の言葉が本当であるなら、彼らは倒さなければならない相手なのか…と。
 
  
次週、「悲壮なる決意」
ブレイブマンは、世界を守る事ができるのか…!?
 
  
この番組は、ご覧の皆様の提供で放送されています。
 
 
この後は…
建造人間ヤサーン
「鉄の悪魔を叩いて作る、 ヤサーンがやらねば誰がやる」