放送第7回「滅びのシステム」
 
 
 自分の中の何かが告げるまま、たどり着いた先でイエローは立ち尽くした。
「これは…。」
そして、周囲の壁という壁が全て崩れ落ちた、今や大広間と化したその場所に、鉄塊と見紛うソレは横たわっていた。
元の大きさに戻った、イエローとよく似た怪人の、ひしゃげて落ちた頭部。もはや部品としか言いようの無いその頭部の一部に、小さな光が点滅する。
『殲滅対象ロスト』
ひび割れたメインカメラがイエローの存在を認識すると、鋼鉄怪人のようやく腕と認識できる部位が微かに身じろぎした。
『破損率90%ヲ超エタタメ』
「ニゲ…ロ。ココハモウ…オチル。」
鋼鉄怪人自身の声と、プログラムが自動的に発する音声が重なり、酷く聞きづらくはあったが、確かに彼はそう発した。
「お前…まさか、先ほどオレにトドメを刺さなかったのも…!?」
考えないようにしていた事柄を再度思い起こされるセリフに、イエローは愕然とする。
『固体殲滅プログラム強制終了』
『基地消滅プログラム起動』
「スベテガ…ハカイサレル」
自動音声とノイズの入り混じった声だけが淡々と響く。
『城塞システム融合開始』
『攻撃目標座標固定』
「オマエノ…ナカマモ」
『城塞システム融合完了マデ180秒』
「攻撃目標はこの基地自体か…!!」
時間は180秒。皆に知らせるとしても間に合わない。
周辺に散在する鋼鉄怪人のパーツから基地本体へ、次々と伸びていくケーブル。融合箇所から淡く青い光を放ち、まるで何かに感染するかのように、壁面を光が流れていく。
『残リ150秒』
握り締めていた拳を目線の先へ入れ、恐る恐る開いた指の関節は、鋼鉄怪人の発する光に呼応するかのように光が明暗を繰り返している。
「オレとお前は…同じモノだ、と言ったな。」
手の甲がギアの擦れる音と共に開放され、鋼鉄怪人と同じようなケーブルが勢い良く延びる。
まるで元から同じものであったかのように、ケーブルは鋼鉄怪人の頭部へと吸い寄せられた。
『外部カラノ侵入ヲ確認』
「オマエガ…狂ウゾ…」
『残り100秒』
「かまうものか…!ここでオレが押さえなければ、皆に危険が及ぶ。」
イエローの手の甲と、鋼鉄怪人の頭部を結ぶケーブルの接合点から、パーツの接合部を縫うように光のラインが幾本も走る。
「そして、おそらくここを抑える事が出来るのは…お前と同じ存在のオレだ。」
『アクセス承認』
接合部を流れる青い光が時間と共に白く、そして暖かな黄色へを変化していった。
『残り60秒』
「お前とオレは同じ存在…。だが…!オレは……」
鋼鉄怪人のメインカメラは、無言のままイエローの姿を映し続ける。
一瞬淡くなったカメラ部の光は、まるでまぶしいものに目を細めるかのように見えた。
「オレは…ブレイブイエローだ!!」
 
 
次週、「最速の剣技vs高速の頭脳」
ブレイブマンは、世界を守る事ができるのか…!?
 
  
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神撃戦記 藍染道
「光と共に生まれし馬が、闇にうごめく和魔を叩く」