<前回までのあらすじ>
悪の軍団の基地へと突入を開始したブレイブマン一行。
入り口で大量の鋼鉄怪人を一手に引き受けたイエロー。
血を分けた兄弟との辛い一騎打ちとなったピンク。
手の内を全て読んでいるであろう参謀との分の悪い戦闘に挑むブルー。
女幹部との対決に参戦したブラック。
彼らの協力の元、基地深部へと進むレッドと、続いて追うホワイト。
各地で、激しい戦闘が続いていた…
 
 
放送第5回「それぞれの決意」
 
 
遠距離攻撃を主体とする2人の戦いは、お互いに距離を取り合いつつ進んでいた。
広場となっている場所から、身を隠す壁の多い別室へと移動すると、戦いの最中に少しばかり何事も無い時間が流れる。
相手の様子を伺いつつ、ピンクは過去の思い出を振り払えずにいた。
まだ相手の事を「おにいちゃん」と呼んでいたくらいに幼い頃の記憶。
2人は、世界にはびこり始めた悪の気配をその幼い肌に感じつつ、小さな正義の心を熱くたぎらせていた。
成長途中のか細い腕で、既に才能を開花させ始めていた弓の訓練を、よく2人で行なっていた。
的の中心を射ぬく回数は、やはり兄の方が多い。
兄に追いつこうと、幼いピンクは一生懸命に練習していたものだ。
それなのに、今この場所では…お互いがお互いに矢尻の先を向けている。
「何故…こんな事になったんだろうな。」
物陰に隠れるピンクの脇を、幹部の放った矢が掠める。
「兄さん、あの時の気持ちを…思い出してくれ…!」
相手に聞こえてはいないだろう願いを叫びつつ、思いを載せて矢を放った。
 
 
攻撃の手数は、ブルーの方が圧倒的に多かった。
ブレイブマン随一の速度を誇るブルーの攻撃に、元博士として彼らと行動を共にしていた悪の参謀は、次第に追い詰められているように見える。
「博士…悪の側であった貴方は、何故我々に武器を提供していたんですか。」
剣を合わせつつ、ブルーは問いかける。
その問に、参謀は柔らかに笑いかけた。
「興味があったんだ。それぞれの得意分野に合わせた武器と、とにかく強大な力を持たせた武器や、大量製造の怪人…いったい何が1番強いのか、とね。」
ブルーの切っ先をかわしつつ、落ち着いた声色で参謀が返答する。
「我々は、実験のためのモルモットといったところかっ!!」
普段冷静なブルーには珍しい怒号と共に、攻撃を解き放つ。
軽量のロッドでその攻撃をいなし、笑顔を表情に貼りつけたまま、参謀は小さくため息をついた。
「君達だけじゃない、私もまた、実験道具の一つだ。」
怒りと共に口をついて出たモルモットという言葉を肯定され、ブルーはさらなる怒りに血が沸騰するような錯覚を覚えた。
必ず倒す。彼はもう、仲間では…ない!
 
 
鉄製の小さな部品が地面に落ちた音でイエローは目を覚ました。
意識せず握り締めた手の中には、量産型鋼鉄怪人のひしゃげた肘パーツが覗く。
「オレは…生きてたのか…」
重い体を起すと、周囲には砕け散った鋼鉄部品の数々が目に入る。
が、その中に自分と良く似た姿は見つけられなかった。
否―自分の中の何かがヤツの生存と場所を知らせている。
「逃がしたか…。」
自分が生きている事に安堵した傍ら、何故鋼鉄怪人SHERYOTが自分を生かしたままこの場を後にしたか、疑問を持ちはした。しかし、彼にはまだやるべき事がある。
何としても、仲間の下に駆けつけなければ。
自分にはまだそれが出来る。いや、もし足がもがれていようとも、体を引きずってでも駆けつけてみせる。オレは、ブレイブイエローだ…!
新たな決意と共に、彼は奥へ続く道へと消えて行った。

 
 
次週、「激突!巨大怪人!!」
ブレイブマンは、世界を守る事ができるのか…!?
 
  
この番組は、ご覧の皆様の提供で放送されています。
 
 
この後の放送はv
乙女戦士xcocox♪
「ヤサーンに代わって、お仕置きよんv」